Claude Code

MCPって何?AI連携の正体を、中学1年生でもわかる言葉で説明する

連載第2回、テーマはMCP。AI連携の話のなかで、最近よく出てくる言葉だ。

第1回では、私がClaude Codeと一緒に作った7つのものを並べた。

並べてみて、自分でも改めて気づいたことがある。

朝7時に起きてから、夜ベッドに入るまで、私はもう1日中、AIに動いてもらっている

朝はブログの数字を勝手に見せてくれる。 昼は昨日の続きを思い出してくれる。 夜は記事を公開して、SNS用の下書きまで作ってくれる。

どれも単体でもすごいのだけど、もっとすごいのは、それぞれの仕組みが、ちゃんと”つながっている”ことだ。

そのつながりを作っている正体が、これから書く話の主役――MCPという仕組みだ。

第1章 MCPって何の略?名前は忘れていい

最初に、いちばん大事なことを書いておく。

MCPって何の略か、覚えなくていい。

一応書くと、Model Context Protocol(モデル・コンテキスト・プロトコル)の頭文字。日本語に直すと「AIが、外のいろんなサービスとやり取りするための、共通ルール」のこと。

でも、この日本語訳を覚えても、たぶん明日には忘れる。私もよく忘れる。

大事なのは名前じゃなくて、「これが何をしてくれているか」のほうだ。

ものすごくざっくり言うと、こうなる。

MCPは、AIが”いろんな場所に出入りするためのドアの開け方”を、世界中で1つに統一する仕組み

……これだけだと、ぴんと来ないと思う。

なので次の章で、ちょっとした例え話をする。 例え話さえ分かれば、MCPはもう分かったのと同じだ。

第2章 例え話:お使い係ロボットと、職員室のドア

中学校の教室に、「お使い係ロボット」が1台ある、と想像してほしい。

賢くて、真面目。先生や生徒に頼まれたら、ちゃんとお使いに行ってくれる。

ある日、先生が言う。 「購買部でメロンパン買ってきて。100円預けるね」

ロボットは、すたすた廊下を歩いて、購買のお姉さんに100円を渡し、メロンパンを受け取って、ちゃんと戻ってくる。

ここまでは、できる。購買は「お客さんが入っていい場所」だから、入り方が単純だからだ。

次の日、別の先生が言う。 「職員室から、先週配ったプリント取ってきて」

ロボットは、職員室の前まで歩いていく。でも、ドアの前で止まる。

ドアに「入る前にノックして、用件を言ってから入ること」と書いてあるからだ。 ロボットは、ノックの仕方も、用件の言い方も、知らない。

戻ってきて、申し訳なさそうにこう言う。 「入れませんでした」

別の日には、図書室から本を借りてくる仕事もある。図書室には「貸出カードを見せる」というルールがある。

保健室には「先生に許可をもらってから」、放送室には「鍵を職員室から借りてから」、それぞれ違うルールがある。

全部の部屋ごとに、ロボットに入り方を教え直す。これは、とても大変だ。

そこで、誰かが思いついた。

「どの部屋にも共通する”入り方マニュアル”を1枚作って、全部の部屋に貼っておけば、ロボットはそれだけ読めば、どこにでも行けるのでは?」

これが、MCPの発想だ。

ロボットの側は、「マニュアルの読み方」だけ覚えておけばいい。 部屋の側は、「うちのルールはこうですよ」というマニュアルを、共通の形で1枚貼っておく。

これだけで、ロボットはどんな部屋にもちゃんと入れるようになる。

つまりMCPとは、Claude Code(ロボット役)が、ブログサイトや通知アプリやノートアプリに、”ちゃんとした入り方”で出入りするための、世界共通の作法

そう思っておけば、ほぼ正解だ。

第3章 MCPなしの世界 vs MCPありの世界

もうちょっと、自分の話に引き寄せる。

私がブログの記事を1本書いて公開するまでに、登場している”部屋”を並べてみる。

  • ブログサイト(記事を出す部屋)
  • 通知アプリ(手元のスマホに知らせる部屋)
  • ノートアプリ(過去のメモを置いている部屋)
  • ブログの読まれ具合が分かる集計画面(数字を見る部屋)

もしMCPがなかったら、私はこれを、こうやるしかない。

朝、パソコンで集計画面を自分で開く。 昨日の数字を、目で読んで、頭に入れる。 記事を書き終わったら、ブログサイトの管理画面を開いて、自分で投稿ボタンを押す。 公開できたら、通知アプリを開いて、本文を書いて、自分で送信する。

全部、人間(私)が、それぞれの画面を行ったり来たりしている

AIに「やっておいて」と頼んでも、AIはどの画面にも入れない。 AIが入れるのは、AIとの「会話画面」だけだからだ。

でも、MCPでつないでおくと、こうなる。

朝、パソコンを開いた瞬間、AIが集計画面の中身を見にいって、結果だけ私に見せてくれる。 記事を書き終わったら、AIが直接ブログサイトに”ちゃんとした入り方”で入って、記事を投稿してくれる。 公開できたら、AIが通知アプリに入って、SNS用の下書きまで投げてくれる。

違いはどこかというと、「画面のあいだを走り回る人間」が、いるかいないかだ。

MCPなしの世界では、私が、画面と画面のあいだを毎回走り回る。 MCPありの世界では、AIが、画面と画面のあいだを毎回走ってくれる。

同じ「記事を1本公開する」という仕事でも、その途中に何回ハサミを入れる必要があるかが、まったく違う。

第4章 私の一日:朝・昼・夜にAIが入っていく部屋

抽象的な話ばかりだと退屈なので、私の実際の一日を、3つの場面で書く。

朝7時 — パソコンを開くと、昨日の数字が勝手に出ている

起きて、コーヒーを淹れて、パソコンを開く。

一番最初に画面に出るのは、AIへのあいさつ――じゃなくて、昨日のブログの読まれ方だ。

「昨日は何人に読まれた」「どの記事が一番読まれた」「先週の同じ曜日と比べて多いか少ないか」――この3行が、私が何もしないうちに、もうそこにある。

集計画面を、私が自分で開いたわけじゃない。 AIが、私がパソコンを開いた瞬間、数字の部屋に”ちゃんとした入り方”で入って、必要なところだけ取ってきて、画面に出してくれている。

これが、MCPの仕事だ。

昼 — 「昨日の続き、どこからだっけ?」が一発で返ってくる

仕事の昼休み。ベンチで弁当を食べながら、スマホでブログの続きを書き始める。

「昨日、どこまで書いたっけ?」――以前はここで、メモを掘り起こすところから始まっていた。

今は、こう聞くだけだ。

「昨日の続き、どこまでだっけ?」

AIが、私がため込んでいる過去の会話メモに、”ちゃんとした入り方”で入って、関係するメモを引っ張り出してきてくれる。

「昨日の終わり際は、第3章の途中で止まっています。書きかけだったのはこの文です」

弁当を食べ終わるころには、もう書き始められる。

これも、MCPの仕事だ。

夜 — 「公開」と打つだけで、3つのことが同時に起きる

仕事から帰ってきて、書き終わった原稿を見直す。 大丈夫そうなら、「公開」と一言だけ打つ。

ここから先、AIが3つのことを同時にやる。

  1. ブログサイトに、ちゃんとした入り方で入って、記事を公開する
  2. 通知アプリに、ちゃんとした入り方で入って、「公開しました」と手元に知らせる
  3. その記事から作ったSNS用の投稿文を、3パターン下書きして、通知に乗せてくる

ふつうなら、3つの画面を順番に開いて、3回手を動かす作業だ。

でも私は、「公開」と打って、コーヒーを一口飲んでいる。 その間に、3つ全部が終わっている。

朝・昼・夜と、AIが全部別の部屋に、ちゃんとした入り方で入っているのが分かると思う。

部屋が違えば、本来は入り方も違う。 でもMCPがあるおかげで、AI側は「マニュアルの読み方」だけ覚えていればいい。

ロボットが、どこの部屋にも、正しく入れる。

第2章の例え話は、ほぼそのまま、私の毎日のことだ。

第5章 次回予告:本物のMCPを、自分でつないでみる

第3回では、ここまでの話を、自分のパソコンで実際に試してみることを書く。

「マニュアルを置く側」「マニュアルを読む側」が、実際にどんな短い文章でつながっているのか――言葉で説明するより、1回つないでみたほうが、ずっと早い。

私もまだ、全部のMCPを自分で繋いだことがあるわけじゃない。 次回は、「今までAIに頼めなかった部屋」を1つだけ選んで、自分の手でつないでみる。

失敗する可能性は、たぶんそれなりに高い。 けど、失敗の様子もそのまま書く。

この連載は、「コードが書けない地方の会社員でも、これくらいなら触れる」を確認していく記録でもある。

まとめ

MCPの正体は、AIが世界中のいろんな部屋に、ちゃんとした作法で出入りするための、共通のマニュアルだ。

名前を覚える必要は、ない。

覚えておきたいのは、「これがあると、自分が画面と画面のあいだを走り回らなくてよくなる」という、その一点だけ。

私の一日は、すでにかなり、AIに走ってもらっている。 朝の数字、昼の続き、夜の公開ボタン――どれも、MCPがあるから動いている。

次回は、その仕組みを自分の手で1本つないでみる話を書く。

また会いましょう。

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