AIが「人の質問に答えるだけ」だった時代は、もう終わりが見えてきた。
私が初めてClaude Code(クロード・コード)というものを使った日、画面の中で文字が勝手に動き、ファイルが勝手に作られていく光景に、本気で背筋が伸びた。
それまでのAIは、いわば「すごく賢い相談相手」だった。けれどClaude Codeは違う。 AIに「手」が生えた、と感じた瞬間だった。
これからしばらく、私はAIに起きている「すごい連携・機能」を、中学1年生でも分かる言葉で書き残していきたい。理由は単純で、こういう話を、難しい言葉を使わずに説明してくれる記事が、日本語ではまだそんなに多くないからだ。
第1回は、その「手」の正体──Claude Codeの話から始める。
第1章 そもそもClaude Codeって何?
ふつうのAI、たとえばChatGPTや、スマホに入っているAIアシスタントは、いわば「教えてくれる人」だ。
「カレーを作りたい」と聞けば、丁寧に作り方を教えてくれる。これだけでもすごく便利だ。 でも、フライパンを振ってくれるわけではない。
Claude Codeは、ここが根本的に違う。
「カレー作って」と頼むと、冷蔵庫から材料を出し、皮をむき、玉ねぎを切り、火をつけ、最後に皿に盛るまで、ぜんぶやってくれる。料理にたとえるなら、そういう存在だ。
実際にやっているのは、パソコンの中で「ファイル(書類みたいなもの)を作る・読む」「命令を実行する」「結果を確かめる」を、人間の代わりに繰り返してくれる、という話。 シンプルに聞こえるけれど、これが想像以上にすごい。
料金は、Claude Proプラン(月20ドル、約3,000円)から使える。 私はもう少し上のプランを契約していて、月およそ110ドル(約17,000円)を払っている。 コードが書けない地方の会社員が、毎月17,000円をAIに払っている──と書くと、それだけでもうふつうじゃない。
それでも私が払い続けているのは、ちゃんと元が取れているからだ。 以下、その内訳を1つずつ紹介していく。
第2章 私(非エンジニア会社員)が実際に作ったもの7選
1. ブログとSNSへの自動投稿の仕組み
朝、ブログ・X(旧Twitter)・noteの3か所に、同じ内容を発信するのが、地味につらかった。
そこで「文章のテーマを渡したら、3か所に自動で投げてくれる仕組み」を、Claude Codeと一緒に作った。
今は、決まった呪文を1行打つだけ──python3 scripts/publish_all.py "今日のテーマ" というやつ──で、ブログに記事が公開され、X用の投稿文が140字以内で自動で作られ、リンクも自動で付く。
以前は朝の発信に40分以上かかっていたのが、今は13分で3か所ぜんぶ終わる。
最初に動いた朝、コーヒーを飲み終わるより先に記事が公開されていて、変な笑いが出た。
2. VOICEVOXでナレーション動画を一発で作る仕組み
YouTubeのShorts用に、ナレーション付きの短い動画を作るのが好きだ。
でも、編集ソフトを開いて、音声を録って、画像を並べて、BGMを乗せて……という作業は、地味に重い。
そこで「役名: しゃべる内容」という形でメモを書くと、
- 音声を作ってくれる(VOICEVOXという、無料でしゃべってくれるソフトを使う)
- 静止画とくっつける
- BGMと字幕を乗せる
- スマホ用の縦長動画として書き出す
これを、3つの命令だけで終わらせる仕組みを作った。
30分かかっていた動画ナレーション作りが3分になり、それまで月900円払っていた月額制のサービスも、0円になった。
動画編集ソフトを一度も開かずにShorts1本が完成した日は、本気で震えた。
ちなみにこの仕組みじたい、先日5月22日からそのまま商品として販売を始めている(9,800円。5月末までの早割価格)。
3. ブログのリニューアル「6週間→2日」
私のブログは、もともと別のテーマで運営していた。
「ぜんぶ作り直したい」と思い立ったとき、ふつうなら6週間は覚悟する作業だ。 お店でいうと、内装も看板もメニュー表もぜんぶ取り替えるリニューアル工事、みたいなイメージ。
ところがClaude Codeと一緒にやったら、4つの段階に分けて、9回の保存ポイントを経て、6週間の予定が2日で終わった。28日の短縮。
コードが書けない地方の会社員が、自分のブログをフルリニューアルしたという事実が、自分でもまだ少し信じられない。
仕上がった画面を初めて開いたとき、鳥肌が立った。
4. アイキャッチ画像「19枚を一気に」
「アイキャッチ」というのは、ブログ記事の表紙にあたる画像のことだ。SNSに記事を貼ったときに出てくる、あの大きめの画像を思い浮かべてもらえれば近い。
リニューアルのとき、地味に面倒だったのが、この19記事ぶんのアイキャッチを全部、用意し直すことだった。 手作業でデザインしていたら、それだけで丸2日は溶ける。
そこで、「タイトル文字を画像にきれいに乗せるプログラム」を書いてもらった。 文字が長すぎたら自動で折り返す。それでもはみ出るならフォントを少し小さくする。英単語の途中で切れないように工夫もしてある。
これで、19記事ぶんの表紙画像が、一気にできあがった。
ブログ一覧ページに、同じテイストの画像が19枚ずらりと並んだ光景は、忘れられない。
5. 少年野球の審判割り当てアプリ
私には子供がいて、地元の少年野球チームでは、親が交代で「審判」を担当している。 誰がいつ審判をやるか──これを毎回LINEで連絡するのは、運営する側からするとなかなか大変らしい。
そこで、「スマホで開ける専用ページ」を作った。
中で動いているのは、Googleが無料で用意してくれているサービスたち──スプレッドシート(Excelに似た表計算ソフト)と、それを動かす小さなプログラムだ。 当番表、希望日の提出、表を更新したら即反映、全部入りで、しかもぜんぶ無料。
身近なコミュニティで、自分が作ったものが普通に使われているのを見るのは、思っていた以上にうれしい体験だった。
6. Claude Codeに「記憶」を持たせる仕組み
Claude Codeとの会話は、新しいやり取りを始めるたびに、いったんリセットされる。 昨日まで一緒に作っていたものを、今日また一から説明し直すのか──これが、地味につらい。
そこで、Claude Codeとの会話を、「全部、小さなノートに自動で書き留めておく」仕組みを作った。 そのノートは、あとから日本語でちゃんと検索できる。「あの時話した、あの件、どこだっけ?」を一発で引き出せる。
最初は、完成まで13〜21時間くらいかかるだろう、と見積もっていた。 実際はそれより大幅に短い時間で動くようになった。Claude Codeが過去のやり取りをぜんぶ覚えていてくれる感覚は、もう手放せない。
7. ある会社の業務管理アプリ(匿名)
これは進行中の案件なので、詳しくは伏せる。
10〜20人くらいで使う、業務管理用のスマホ&PC兼用ページを作っている。 先日、ログインの仕組みのテスト(ちゃんと動くか確かめる作業)が48個中48個合格、データを保存する仕組みのテストが22個中22個合格した。
無料のサービスだけで、ここまで本格的な仕組みを組めるという事実が、まだ少し信じられない。
テスト結果がぜんぶ緑色のチェックマークで並んだ瞬間、月のClaude代の元は完全に取れたな、と思った。
第3章 共通しているのは「自分の困りごとを解決した」こと
7つを並べてみて、自分でもはっきり気づいたことがある。
ぜんぶ、「自分が困っていたから作った」ものしかない。
朝の発信がつらい、動画編集が重い、ブログのリニューアルが面倒、画像作りが大変、チームの連絡が手間、AIが昨日のことを忘れる、業務管理をシンプルにしたい──全部、まず私が困った話だ。
ふつうのAIに同じ相談をしても、「こうすればできますよ」とやり方を教えてくれる、そこまでで止まる。 教わったやり方を、自分のパソコンで実際に動かす作業は、結局じぶんでやらないといけなかった。
Claude Codeは、その「動かす」ところまで丸ごとやってくれる。
だから、コードが書けない人ほど、効果が大きい。 私は、それを身をもって体験してしまった。
第4章 次回予告
次回は、Claude Codeに「神経系」をつなぐ仕組み──MCP という技術の話を書く。
「神経系」というとちょっと大げさだけれど、要は、Claude Codeを「いろんなサービスとつなぐ配線」みたいなイメージだ。 GoogleカレンダーやGmail、Slack(仕事用のチャット)、Notion(メモアプリ)──こうした「外のサービス」と、AIをつなぐ仕組みのことだ。
地味な見た目だけど、これが革命的にすごい。
この連載は全10回の予定。Claude Codeのまわりにある「すごい連携・機能」を、順番に、中学1年生でも分かる言葉で説明していく。
まとめ
コードが書けない地方の会社員でも、AIに「手」を貸してもらえば、ここまでできる。
月20ドル(約3,000円)のClaude Proプランから始められるので、もし興味があれば、まずは触ってみてほしい。 失敗してもパソコンが壊れるわけじゃない。 私も最初の1週間は、何が起きているのかさっぱり分からなかった。
ただ、3日目あたりで何かが「動いた」瞬間、世界の見え方が確実に変わる。
次回の更新で、また会いましょう。